Ruby使いだけどUNIXのことよくわからん、という人は「なるほどUNIXプロセス」を読むと良い

Ruby使いだけど

  • ぶっちゃけUNIXのことよく分からないんだよね
  • プロセスとかシグナルとかパイプとか名前は知っているけど、雰囲気だけ分かるよ

という人で「いやー、もっとUNIXのことを知りたいのはやまやまなんだけどね」と思っている人は間違いなくRails使いだと思います。そしてこの本、なるほどUNIXプロセスはまさに、そういうRails使いの人向けに書かれた本です。先日読了したのでご紹介したいと思います。

サンプルコードがRubyという素晴らしさ

UNIXについて書かれた本は数あれど、この本の素晴らしいところはサンプルコードがRubyだということです。

例えば同様にプロセスやシグナルについてコードを書きながら学びたいと思ったら「ふつうのLinuxプログラミング」という本がとっても良著だと思うのですが、当然というか、当たり前のことながら、そのコードの言語はCなんですよね。

ふつうのLinuxプログラミング Linuxの仕組みから学べるgccプログラミングの王道
青木 峰郎
ソフトバンククリエイティブ
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そういうわけで、そもそもCを知らない人にとってコードを書きながらUNIXを学ぶということは実はかなりハードルが高いことであり、気軽にできることではなかったと思うのです。

そのハードルをおもいっきり下げてくれた「なるほどUNIXプロセス」はそれだけで読む価値があると思いますし、ついでにRails使いであれば、

  • ResqueがなぜWorkerをフォークする仕組みにしているのか?
  • UnicornのようなPreforkサーバをRubyでどのように実装しているのか?

という身近な事例まで学べてしまうので、Ruby力もRails力もグーンと上げられてしまうシロモノになっているのです。

更に「とはいえちょっとUnicornをいきなり読むのは厳しいなー」と思う人向けに、学習用WebサーバSpyglassのソースコードもついてきます(達人出版会で買うと、マイページからソースコードのzipファイルを落とせるようになります)。本で身につけた知識を即座にコードリーディングに活かせる仕組みになっているのは、本の構成としてとても素晴らしいなと思います。

UNIXについて本当に初心者なのであれば、以下の本をあわせて読むと効果倍増だと思います。

UNIXという考え方―その設計思想と哲学
Mike Gancarz
オーム社
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参考:プログラミングに対する考え方の80%ぐらい影響を受けた「UNIXという考え方」の素晴らしいまとめがあった

なるほどUNIXプロセス