インサイドボックス 究極の創造的思考法を現在読んでおります。「外に目を向けるより『閉じた世界』(制約)の中で解決法を考える方がより創造的になれる」「制約の中で創造的なアイデアを生み出す方法を5つのツールにまとめた」など、魅力的なウリ文句に惹かれて買ったのです。
問題から出発するのは間違い?
そういうわけで今朝Kindle版を早速ポチって行きの電車の中で読んでいたのですが、のっけから刺激的な内容が飛び出します。
イノベーションへの道は、まず解決すべき問題を明確に定義し、そのうえで解決策を探すというプロセスをたどるものだと、ほとんどの人は思い込んでいる。
思い込んでいると言い放ちました、この本。良いですね、固定観念突き崩し系、好きです。
ではどうすれば良いのか?というと、あくまで「創造的に物事を考えるためには」という条件付きですが、新しい方法を発見して、それで何を解決できるのか?を考える方が近道だと言うのです。
多くの人は「問題から出発して、それをどう解決できるか?」を考えるより、「解決策から出発して、それがどういう問題を解決できるか?」というアプローチの方が得意であるそう。
例えばミルクの温度によって色が変わる哺乳瓶を見せられて「これがどう役に立つと思われますか?」と尋ねると、多くの人は「熱すぎるミルクを飲ませて赤ちゃんを火傷させないために役に立つ」などと答えられる一方、「熱すぎるミルクで赤ちゃんを火傷させないためにはどうすれば良いか?」と尋ねられると、なかなかミルクの温度によって色が変わる哺乳瓶まで辿り着けない。これはなんとなく、実感としても納得できる話でした。
こういった「ミルクの温度によって色が変わる哺乳瓶」のようなアイデアを考えつくためのメソドロジー(インサイドボックス思考法)を、この本では以下の5つの方法にまとめています。
- 引き算のテクニック
- 分割のテクニック
- 掛け算のテクニック
- 一石二鳥のテクニック
- 関数のテクニック
「ミルクの温度によって色が変わる哺乳瓶」は「一方が変化すれば一方も変わる」という関数のテクニックを用いています。
僕の好きなリ・インベンションという本では、過去の成功体験の延長線上で製品の進化をはかるイノベーション発想ではなく、製品やサービスの概念を再定義することで新しい価値を生み出すべき、という話がありましたが、このインサイドボックス思考法にはより具体的に概念を再定義するためのヒントがあると感じました。身近なものをインサイドボックス思考法で考えなおしてみることで、思わぬ発見があるかも知れません。
とはいえまだ2章までしか読んでいないので、まだまだ面白いエピソードがあったら追って紹介したいなーと思います。
文藝春秋
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