不完全な製品でなく、半分の製品を作る

「必要最低限の機能をまずリリースする」、と言うとまるで不完全なプロダクトを作るように聞こえてしまうし、プロトタイピングレベルのものをリリースするべき、みたいに聞こえてしまうけど、そうではないんですよね。

本当に必要なものにこだわる

タイトルの「不完全な製品でなく、半分の製品を作る」というのは僕の好きなGetting Realの中の一節です。

ウェブアプリ開発に対して「何でもかんでも」というやり方には気を付けましょう。舞い込んでくる立派なアイディアをちりばめようものなら、不完全バージョンの中途半端な製品に終わるだけ。本当にしなければならないことは、しっかりした半分の製品を作ることです。(Chapter5 機能選択

あれもこれもと不完全なものを取り入れるより、本当に必要なものに時間をかけてその品質を上げた方が、そのプロダクトを使うエンドユーザーにとっての価値が高まるというロジックです。エンドユーザーは機能数に惹かれて使うのではなくて、今困っている問題を解決したいんですよね。その問題をきちんと解決することに価値があるわけで、それ以外の部分は一旦はどうでもいい、ひとまず置いておいて良い、その方が投資対効果が高まるだろうという考え方です。

「全部完璧に作れば良いじゃないか」という富豪的な考え方もアリだと思いますが、投資対効果はコストがかかる分、低くなるのではないかと思います。投資的な考え方から見ても、小さく賭けて上手く行くことが分かってから、少しずつベットを重ねて行く方が安全そうです。

そして本当に難しいのは、その絞り込んだ機能の品質の上げ方。絞り込んだからには本当に使いやすくなければいけないし、品質も高くなくては話にならない。この問題にはいっつも、頭を悩ませています。

参考:Getting Real by 37 signals