ブログを書くということは自分の考えを思い返して、コンテキストのズレを見つめなおすということ

たとえば「プログラマーに大事なのは技術に対するノリの良さだよな」と思ってブログを書こうとしたとして、その場では「うん、何となくノリが良いと楽しそうだし良いよね」と思うのだけど、いざ書こうとすると、

  • 技術に対してノリが良いというのはどういうことなのか? なぜノリ良くあるべきか?
  • どういった観点でノリ良くあるべきか?
  • ノリが良いことでビジネスにどういった影響を与えるか?

なーんてことを考え始めて、「いや、さすがに楽しいだけじゃいかんよな・・・」と思って、上手く書けなくなってしまったりもする。

考えを思ったときと、書くときとで何が違うのだろう?

当たり前だけども、書く目的は誰かに何かを伝えるということ。何かを伝えるということは、結局何が言いたくて、読んだあとにどうするべきなのかを相手が納得できるように言って、相手を動かすということ(だと勝手に思っている)。

だから「いやー、ノリが良い人が近くにいると楽しいんですよ!だからみんなノリ良くやっていこうよー!」なんて言っても、「そ、そうですか・・・楽しそうで何よりですね・・・」という反応になってしまう有り様で、相手の気持ちは0.1nmも動かない。なぜノリ良くあるべきかコンテキストが全く伝わっていないので、意味のないコミュニケーションになっている。

何かを伝えようと思うときには、背景となるコンテキストやもろもろの理由を省くことはできない、ということが良く分かる。伝わらないのではなく、そもそも伝えていないのだ。

コンテキスト弱

僕は基本的にコンテキスト弱で、いきなりコンテキストに合わない発言をしてみんなを混乱させるときがしばしばあることを自覚している。

そういうわけで、ブログネタをいくらEvernoteに溜め込んでいたとしても、いざ書こうとして伝えるべき内容のコンテキストを見つめ直そうとすると「あ、書けないな・・・」などと思うことがしばしばあって、このブログの書く時間というのが、いかに日頃コンテキストをないがしろにしているかということを見つめ直す良い機会になっている。

こういう人に対してこう言うと、どう響くのか?

こんな立場の人が見たとき、どんな風に思うのだろうか? 怒るかな?

こんな人を元気づけられたらと思うんだけど、伝わるかな?

などと人ベースのコンテキストで考えつつ、かつ論理に筋が通っているかを検証しながら筆を進める時間なのだ。

よく考えると、これは日頃仕事でやっていることと同じことなのかも知れない。個別の応対では人ベースのコンテキストは固定されるものの、人それぞれのコンテキストにあわせて、ちゃんと伝わる形を取っていく。ある意味ブログは素振りだ。

そこで、コンテキスト弱な人間筆頭としては、コンテキストを注意深く考えながら物を書いたりする時間をつくるということが、日頃の仕事の質を上げることにつながるかも知れないと考えているので、コンテキスト弱な人間にはオススメしたい。

コンテキスト弱なことを自覚していないコンテキスト弱な人間というのは、かなりヤバイのだ(一般的に、プログラマーという人種はコンテキスト弱であると思われていることも多い)。

でも、ブログは重いよねー

pplog_-_ゆるふわインターネットにポエムを刻もう

そういう人におすすめしたいのがpplogというサービス。

自分の書き込みは最新1件しか他の人に見えないので、「あー、過去にこんなこと書いちゃったのがずっとインターネット上に残っているよありえない><」なんて思うこともなく、安心してつらつらとポエムを書くことができる。

「つながれない、のこせない、しゃべれない」のが信条のこのサービスだが、「つたわらない」わけではない。ポエムの足あとが、相手にどう伝わっているかの目印になる。

文章を選択してから足あとを残すと、選択した文章が引用された状態で足あとが残る。読んだ人は一番印象に残った部分を足あとに残すことが多いため、「こういう人はこういうところが気になったんだな」と、相手のコンテキストに少しばかり想いをはせることができるのだ。

周りにpplogをやっている人がいない人でも安心なのは、pplogのザッピング機能がかなり優秀なので、意外に結構多くの人に見てもらえていたりするということ。全く知らない人が足あとを残してくれていたりすると、ちょっとばかしハートウォーミングだ。

ザッピングしていて思うのは、「あ、良いポエム」と思える文章は、その前提・コンテキストの伝え方がとても上手い。全然知らない人の知らない日常の出来事の話なのに、自分事のように自分の中に入ってくるのだ。ザッピングしながらそういったポエムを見つけ出すのも楽しい。

少しヤバイことを書いてしまったと思ったら、すぐに別のポエムで上書きする「ポエ消し」という技を使うと良い。みんなからは最新の発言しか見えないので、安心して過去のアブナイ発言を闇に葬ることができる(読んでしまった人の記憶は闇に葬れないけど・・・)。

考えを形にすること自体がつらい人に

ゼロ秒思考  頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
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考えを形にすること自体がつらい人には、ゼロ秒思考で紹介されているA4メモ書きをオススメしたい。考えを書くというよりは、むしろ制限時間1分で高速振り返りをしている感覚に近い。このブログでも以下のような記事を書いているので、参考にしていただけると嬉しい。

1分はマジで短い/ゼロ秒思考のA4メモ書きをやってみた

ゼロ秒思考のA4メモ書きを上手く続けるコツ

ではでは。