ほんとに使える「ユーザビリティ」 -より良いデザインへのシンプルなアプローチ
を最近読んでいるのですが、その中にこんな一文がありました。
通常のログインではユーザー名とパスワードの両方を入力するから、これら2つの情報のどっちが間違っているのか説明すれば、このメッセージはもっと役立つはずだ。「このユーザー名は存在しません。あなたのアカウントは別のメールアドレスで登録されている可能性があります」といったメッセージにすれば、ぐっと良くなる。(p.117 役立つエラーメッセージを書く)
その後の訳注にもある通り、ログインエラーの原因をあまりにも詳細に表示することはセキュリティ上のリスクになるので、ユーザー名とパスワードのどちらが間違えているのか?といったところまで表示する訳にもいきません。とはいえ、そう言われてみると一般的なサービスではどんなライティングにしているのだろうか?と気になったので、10例ほどスクリーンショットを集めてみることにしました(そもそもユーザー名とパスワードを入力させること自体が、ユーザビリティ的に前世代的なのかも知れませんが・・・)。
目次
ログインエラーのスクリーンショット

Googleのログイン画面はシンプルに「メールアドレスまたはパスワードが正しくありません」と表示しています。
こういった「正しくありません」というメッセージは、Webサービスでありふれていると思うのですが、ライティングとしてはちょっと違和感ある気がします。メールアドレスの正しさ、とは何なのか・・・書式が正しければ正しいのか・・・。正しさ、とは一体・・・。

facebookのメッセージはもう少しユーザーフレンドリーです。パスワードが間違えているということ、間違える原因を作っていないか?ということ、更に忘れてしまっていた場合はこちら、と3段構えのメッセージになっていますね。何よりも良いのは、「◯◯してください」とユーザーに次のアクションを示していることかなーと思います。「これは違うぜ」だけでは、ちょっと突き放している感じがありますもんね。
ログインボタンの下にも「パスワードを忘れた場合はこちら」とあるのに、更にエラーメッセージ中でもパスワードの再発行へのリンクを表示しているのが良い気がします。
mixi

次はソーシャルつながりでmixi。シンプルなメッセージです。

Naverまとめのログインは、どうしても英語表示になってしまいました。
楽天

ログインの場所自体が分かりにくい楽天ですが、右側にログインできないときのヒントが表示されるのが親切ですね。「ユーザーID・パスワードに誤りがあるか、登録されていません。」というメッセージも、「正しくない」に比べれば自然なメッセージだと思います。
Amazon

Amazonのメッセージは・・・すごく・・・システム的です・・・。「リクエスト処理中に問題が発生しました。」と言われると、かなりドキっとしますね。確かに処理中に問題が発生したことに疑いはないのですが、あえてそれを言う必要はなさそうに思います。
BASE

BASEはGoogleとほぼ文言が一緒ですね。
nanapi

nanapiもライティングはシンプル。
ランサーズ

ランサーズもGoogleとほぼ文言一緒ですね。
クラウドワークス

最後にクラウドワークスも、Googleとほぼ文言が同じでした。クラウドワークスはエラーメッセージの表示位置とフォームの表示位置が離れているので、ちょっとエラーメッセージに気づきにくい気がしました。
まとめ
10例ほど見てみると、Google風の「正しくありません」パターンが主流ではあるのですが、このあたりの工夫はfacebookや楽天のライティングを見習いたいものです。
Webの画面における説明のライティングは、操作の分かりやすさ、いわばユーザビリティに対してかなりの影響を持っているように思えます。様々なサイトを参考にしつつ、分かりやすいライティングとは何か?を、これからも模索していきたいと思います。